味覚の一週間®って知っていますか?
これは、30年以上前にフランスから始まった活動で、「味覚のアトリエ」「味覚の食卓」など、いくつかの講座があるのですが、この中でも「味覚の授業」は、子供たちに本物の味を教えようという試み…
テレビやスマホを見ながらの食事…
添加物にまみれ、大切な味覚を損なうような食品の氾濫…
食を取り巻く環境は、昔とは大きく変わってきている事に、多くの人が危機感を抱いていると思います。
フランス人も、日本人も、そこは同じなんだと思います。
10月の3週目を、味覚の一週間と定め、フランスでは、実際にシェフのレストランを訪問しフルコースの料理を食べたりもするようですが、日本の「味覚の授業」では、食についてのレクチャーのあと、色んな食材や調味料を食べてみて、子供たちが味覚について学びます。
もちろん、1週間だけでは沢山の学校を訪問することは出来ないので、毎年9月から11月までの3ヶ月の間に活動を行っています。
日本は現在、250校以上の小学校で開催…
毎年、小学校3年生から6年生までの12000人以上の児童達に、この授業を体験してもらいます…
日本での活動は2011年から始まり、当初は80校ほどだった参加校も、毎年増え続け、現在までに延べ15万人以上の子供たちが受講しています。
当日は、有名レストランのシェフたちが無料で来てくれて、子供たちに味覚についての講義をしてくれるのです。
私は、今年から味覚の一週間のアシスタントとして活動に参加しています。
日本の実行委員長は、瀬古篤子氏…
この方とは藤野真紀子先生を通して、10年以上のお付き合いになります。
利益を上げる事業ではなく、企業からの寄付に頼ったボランティアですから、ご苦労は並大抵ではないと思いますが、日本の食育のために真摯に活動されているのを、長年、近くで見ていました。
私が昨年末で働いていた会社をリタイアしましたから、お声がけいただき、参加…という運びになりました。
この日、私が向かったのは、大都会!六本木近く、飯倉の交差点にある麻布小学校…
家庭科室で授業を行います。
これは、子供たちにプレゼントするトック帽!
東京ガスがスポンサーとなって提供してくれています。
私の役割は、塩、ダークチョコレート、酢、砂糖を準備すること…
これ以外に嗅覚の説明をするために葡萄味のグミも用意します。
あとは、授業の中で子供たちに食材を配ったり、片付けたりするのが仕事!
誰にでもできる簡単な内容です〜(^_^)v
この日の講師である、有名和食店、ハル・ヤマシタの山下春幸シェフからの挨拶の後…
塩を使った授業!
生徒の皆さんも真剣に耳を傾け、山下シェフも熱のこもった丁寧な説明をします。
山下シェフは直前に出汁を取りました…
一流の和食の料理人の仕事ですから、よく見たかったのですが、準備に忙しく、横目でチラ見しただけ…残念!
子ども達が、塩味、甘味、酸味、苦味、旨味の5つの味を体験した後、全ての授業で、担当シェフからのお土産があります。
クッキーやチョコレートを持ってきてくれるシェフもいれば、本格的なお吸い物を食べさせてくれる方もいます。
山下シェフは、和食の料理人ですから、今回は子供たちに、ぜんざいを作ってくれました。
餅を入れて喉に詰まらせたら困るとか、韓国のトックを使おうか?とか、色々考えてくださり、結局、何も入れず、ぜんざいそのものの味を楽しんでもらおうということになったようです…
贅沢に和三盆糖を使ったぜんざい!
私も試食させてもらいましたが、超絶美味!
最後は、生徒の代表からのお礼の言葉があり、授業は終了!
シェフも私達アシスタントも、交通費含め、全くのボランティアなのですが、準備も楽しく、シェフのお話も色々勉強になることばかり、何より子ども達が喜んでくれたのが嬉しかった!
自分にとっても有意義な活動だったと思います。
今期、私はこの麻布小学校のあと、四谷小学校での活動で終了ですが、来年はもっと沢山の学校を訪問して、この素晴らしい活動のお手伝いをしたいと思いました。
味覚の一週間®…という地味な団体ですが、世の中にはこんな活動もある…ということを知っていただけたなら幸いです。