ソウル市庁の裏側・・・
大都会のど真ん中に・・・
忘れられたようにひっそりと佇む・・・
内江(ネガン)という名の小さな食堂・・・
平松洋子さんがその著書で紹介して以来・・・
ずっと行きたいと思っていたお店・・・
メニューは一つ・・・
白飯定食6000ウォン
ご飯の下にはおかずがたっぷり入っているのに・・・
テーブルの上のナムルは食べ放題・・・
手作りの味わい深いお味噌とよく混ぜていただくわ・・・
内江のおばあちゃんはどこまでも優しい・・・
素晴らしい笑顔で・・・
おかわりはいらないかと、しゃもじにご飯を乗せて勧めてくれる・・・
おかずをもっと食べろとやって来る・・・
私と娘の背中を優しくたたき・・・
お釜からこそげ取ったおこげをくれる・・・
大豆入りご飯のおこげ・・・
大昔・・・祖母に貰ったっけ・・・
娘が白菜のスープに浸して食べると・・
そっと後ろからスープを注ぎ足してくれる・・・
懐かしくて・・・そしてしみじみと美味しいご飯・・・
食べ終わると・・・
おばあちゃんはみかんを三つに割って・・・
大きい方を私と娘にくれた・・・
思いがけず・・・
ソウルの片隅で三人で分け合って食べるみかん・・・
私がこの店で、日本円にしたら450円ほどの定食を食べるために・・・
数万円の旅費をかけてやって来たと知ったら、驚くだろうか?
おばあちゃんは・・・
40年間毎日営んできたように・・・
その命のあるかぎり・・・
この店で、心もお腹も満たす・・・
暖かいもてなしを続けていくのだろう・・・
だから私も・・・
ソウルを思うときには・・・
市庁裏の内江を想い・・・
娘とともに味わった、幸せな食事の記憶に浸ることだろう・・・
さぁ・・・
娘よ・・・
私のソウル旅行の第一の目的は果たした・・・
あとは明洞のコスメストリートでも・・・
好きなところに付き合ってあげようじゃないの・・・