大人になってから、初めて見た芝居・・・
それは「上海バンスキング」だった・・・
もう30年近く前、六本木のガラス屋さんの地下にあった小さな劇場から、大ブレイクして、銀座の博品館に移った頃・・・
チケットはそれこそプラチナチケットで、全然手に入らない状態だったんだけど、ツテを頼ってようやく手に入れて・・・
私はそこで、お腹にズシンと響くような、強い衝撃を受けて・・・
芝居ってこんなに面白いものなんだと思ったの・・・
それから私の芝居遍歴は始まり・・・
休日には、映画を2本ハシゴして、夜には芝居見物・・・
そんな生活は4、5年続いただろうか・・・
もちろん自由劇場の芝居は欠かさず見た・・・
渋谷のシアターコクーンに移ってチケットが取りやすくなってからは、1回の公演を1日おきに3回見に行ったこともある・・・
3回見れば、3回分の感動がある、そんな優れた芝居・・・
それが「上海バンスキング」
みんなこんなに若かった・・
今年、16年振りに再公演するっていうのに、とんと芝居とは無縁の生活を送っていたので、気づいた時には、もう始まっていたのよ・・・
のこのこチケットを買いに行ったら、とっくに完売してて、立ち見の券が一枚だけ残ってるって言うじゃないの・・・
立ち見と聞いて躊躇はしたけど、買ったわよ~
だって仕方ないじゃない・・・
私が見なくて誰が見るって感じなんだもん・・・
上海バンスキングのテーマ曲「ウエルカム上海」の出だしはこうだ・・・
あの時貴方来てました ラストナイト
だから声かけてあげましょうね
ウエルカムシャンハイ
ウエルカムシャンハイ
朝には消える思い出の上海
だから声かけてあげましょうね
ウエルカムシャンハイ
ウエルカムシャンハイ
朝には消える思い出の上海
まるで30年後の今日を見越したような歌詞・・・
16年前の最後の公演は、地方都市で子育ての真っ最中だったから行っていない・・・
でも、その昔、何度も足を運んだ・・・
だから、誘われてる・・・
そんな風に思うことにして、3時間半の長丁場を、立って見る事にしたの・・・
がっかりして拷問のような3時間半になるのか、それとも至福の時間を過ごすのかは、行って見ないと分からない・・・
今夜、私にとっては18年ぶりの「上海バンスキング」
上海バンスキングはねぇ・・・
まったく同じだった・・・
でも、どこかがほんの少し違ってた・・・
冒頭、吉田日出子が出てきた時、「デコ(→友達か?!)少し太った?」って思った・・・
だけど、休憩のときトイレの鏡に映った自分の姿は、吉田日出子よりもっと太っちゃってた・・・
変わったのは、自分の方だったかも・・・
立ち見を心配して行ったけど、何故か私の前の席、空席で・・・
座って見たの・・・
ずっと最後まで・・
ロビーで歌ってお見送りは昔のまま・・・ロビーは撮影OKなの・・
串田和美さんもお元気・・・
これは同窓会だね・・・
笹野高史も、小日向文世も、みんなこの芝居から、有名になって行った・・・
劇場に来ていたお客さんだって、遠い昔、同じ時に一緒に舞台を見たことがあったかも知れない・・・
古い友達に会って・・・再会を喜びあった・・・
今日はそんな夜だった・・・